BVI(ブリティッシュヴァージンアイランド)法人の不動産売買

先日、シンガポール在住のマレーシア人が売主となり、BVI(ブリティッシュヴァージンアイランド)法人が買主となる不動産売買について、登記のご依頼がありましたので事例をご紹介します。

売主のサイン証明書

登記義務者となる売主については、日本人の場合は、登記に印鑑証明書を添付しますが、今回は海外在住の外国人のケースですので、印鑑証明書がありませんでした。

その場合、印鑑証明書の代用として、売主たる個人の国籍国の本国官憲の認証を受けたサイン証明書を添付することになります。

今回は、依頼者に在シンガポール・マレーシア大使館にて認証したサイン証明書をご用意いただきました。

BVI法人の資格証明書

登記権利者となる買主については、日本法人の場合、住所証明書と代表者資格証明書として、法人の登記事項証明書を添付します。

外国法人の場合は、①本国官憲により登記証明書が発行されるときはその証明書、又は、②証明書が発行されない場合、外国法人の商号・本店・代表者が記載された宣誓供述書(Affidavit)を作成し、本国官憲の認証を受け、登記に添付する必要があります。

BVI法人の場合、商号・本店・取締役等が記載されている”Certificate of Incumbency”という証明書が、Registered Agent(登録代理人)から発行されますが、Registered Agentは本国官憲ではないため、更にその証明書にBVIの公証人の認証を取得したものをご用意いただきました。

BVI法人の利益相反取引

さらに、今回のケースでは売主たる個人が、BVI法人の取締役に就任していたため、利益相反取引に関する承認が必要かという論点がありました。

日本法人の場合、取締役と会社との不動産売買は、利益相反取引に該当するとされ、株主総会又は取締役会の承認を受ける必要があります。

また、利益相反取引を承認した株主総会または取締役会の議事録は、不動産登記令に規定する「第三者の承諾を証する書面」に該当するため、登記に添付する必要があります。

この点、BVI会社法においても、BVI法人と取締役との利益相反取引に関するの規定が124条及び125条にあります。

こちらを確認してみると、Board(取締役会)でのDisclosure(開示)は求めているものの、Approval(承認)までは求めていないため、不動産登記令に規定する「第三者の承諾を証する書面」には該当しないという解釈が可能です。

外為法に基づく報告

非居住者が買主となり、日本国内の不動産を取得する場合、原則として外為法に基づく報告書を日本銀行に提出する必要があります。

但し、今回は売主が日本国内の居住者ではなく、この報告は不要なケースでしたので、報告書の提出は行いませんでした。

当司法書士事務所では、外国法人、外国人個人、非居住者の不動産取引において、豊富な経験を有しております。

登記書類の翻訳や登記内容の通訳等、英語対応可能な司法書士が担当いたしますので、お気軽にご相談ください。

 

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