島倉司法書士事務所

会社設立

会社設立の注意事項

会社設立に際しては、様々な事項を決定する必要がありますが、各事項の決定においては、注意すべき点が多数あります。

当事務所では、会社設立の経験・実績に基づき、依頼者の満足のいく形で最適な会社を設立できるよう、最適なアドバイスを提供いたします。

会社設立に際して、注意すべき点の例としては、以下のようなものがあります。

商号

会社の商号は、原則として自由に定めることができますが、いくつか注意事項があります。

まず、本店が同一でなければ、他社と同一の商号でも登記することは可能ですが、他社と誤認される恐れのある商号については、紛争を招く恐れがありますので避けるべきです。また、登記上、商号に使用可能な文字には制限があります*1ので、事前に確認が必要です。

*1 法務省:商号にローマ字等を用いることについて

事業目的

会社の事業目的は、実際に行う事業に加え、将来行うであろう事業も定めることができます。

事業目的は、新規取引先、金融機関及び投資機関等の審査対象となる場合もありますので、事業内容が明確になるよう、わかりやすい文言で簡潔に記載すべきです。

なお、許認可が必要となる事業を行う場合、各業種に適合した文言で事業目的を記載する必要がありますので、注意が必要です。

また、業界別の社会保険団体(例:関東ITソフトウェア健康保険組合)への加入において、特定の文言による事業目的の記載が加入基準となっている場合もありますので、その点も注意が必要です。

本店

会社の本店所在場所に、法律上の制限は無いため、自宅、バーチャルオフィス、レンタルオフィスを本店として登記することも可能です。

ただし、許認可の取得やVISAの申請の際に、オフィスの形状、面積などが要件となっている場合があります。

また、バーチャルオフィス等を本店とした場合、銀行口座の開設の際の審査で実体が認められないという理由で審査が下りない可能性もありますので、この点も注意が必要です。

その他、助成金、公的融資、信用金庫からの融資などを検討している場合、本店所在場所が要件となっているか事前に確認する必要があります。

公告する方法

会社の公告は、決算書類の開示等、会社法上の情報公開義務が会社にある場合に、それを公示するときの媒体です。

公告方法は、官報が一般的ですが、日刊新聞紙又は電子公告という選択肢もありますので、掲載コスト・法務手続実施時の利便性等を総合的に考慮して決定する必要があります。

資本金の額

会社の資本金は、会社法上最低1円から設定することが可能ですが、資本金は登記簿謄本にも登記され、会社の一定の対外的な信用力を一定程度表す計数でもありますので、あまり低すぎる資本金は望ましくありません。

また、資本金に上限はありませんが、資本金1000万円未満で設立した会社は、1期目と2期目の消費税納税義務が免除されます*1ので、1000万円未満というラインが一つの基準となります。

*1 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例|国税庁

株主構成・出資比率

複数株主で会社を設立する場合、株主構成・出資比率を検討する必要があります。

株主は、原則として保有株式数に応じて株主総会で議決権を有することになりますので、株主総会の決議要件などを考慮する必要があります。

取締役の選解任等に必要となる総議決権の過半数(普通決議)、定款変更・合併・解散等に必要となる総議決権の3分の2以上(特別決議)の二つのラインを基準に検討します。

機関構成・役員構成

会社法施行により、取締役会・監査役の設置義務が廃止され、自由な機関設計が可能になりました。選択肢が増えたことにより、会社の実情・規模に合わせた機関設計が重要になります。

また、会社の業務を執行する取締役等の役員の構成についても、様々な注意点があるため慎重な検討が必要となります。

事業年度

会社の「決算」をする際の対象となる一定の期間を事業年度といいます。

事業年度は1年を超えることができないという制限があり、一般的な会社の事業年度は、一年間となっています。

事業年度を決定する際には、①決算関係の納税資金との関係から資金繰りが厳しくなる時期を避ける、②決算関係の事務作業との関係から繁忙期を避けるなど様々な検討事項があります。

また、資本金1000万円未満で設立した会社は、1期目と2期目の消費税納税義務が免除されます*1ので、事業年度を調整することで免除期間を最大限にとることができます。

*1 基準期間がない法人の納税義務の免除の特例|国税庁

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